センター紹介と運営
富山大学未病研究センター 副センター長
理事・副学長 北島 勲
平成26年7月内閣府健康・医療戦略推進本部から「健康・医療・介護に分散して情報を個人単位として統合する際には、健康と病気を連続的に捉える未病の考え方などが重要になると予測される」という提言がなされた。さらに令和2年度より、ムーンショット型研究開発事業目標2「2050年までに超早期に疾患・予防をすることができる社会を実現」(科学技術振興機構)プロジェクトが始まった。これまで富山大学は、医学部、薬学部、附属病院及び和漢医薬学総合研究所が一体となって、21世紀COEプログラムなどを通して、東西医薬学の融合を実践してきた。この経験は、現在「複雑系数理学の導入による東洋医学における概念の「未病」を科学的に立証する「未病プロジェクト」に受け継がれている。令和2年4月より、これまでの成果をさらに発展を目的に学部横断的学際的研究を推進できる組織として「未病研究センター」を設立した。本センターは「東洋医学の概念である「未病」をALL富山大学で多分野の叡智を集め解き明かし、健康社会に向けた超早期疾患予測・予防の実現」も設置目的に掲げている。主たる業務は、①現代医療ニーズにマッチした最先端の医療戦略(創薬、臨床検査、疫学)の構築、②薬都・富山発の健康政策(未病を治療する新しい医療の創出)の提言、③科学知への翻訳としての「未病学」の確立等である。本センターは、学長をセンター長とした学長直下の運営体制とし、副センター長を研究担当理事・副学長、学長特別補佐を企画・研究アドバイザーに配置し、企画戦略室から企画・運営等の意思決定を迅速に実施できる体制であるとともに外部資金導入や国内外の優れた人材を受け入れができる全学的組織であることが大きな特徴である。本センターは、本学も参画するムーンショット型研究開発事業目標2の実施推進母体となり、未病医療の推進・実装により新たな医療システムを社会に提示してゆく計画である。
2021年4月
富山大学未病研究センター 副センター長
理事・副学長 北島 勲